フローリング床に塗ったワックスの剥離には危険がいっぱい

キレイ好きな人は、ホームセンターで床用ワックス買って自宅のフローリングに塗ったりするようで。もっとキレイ好きな人は、1~2か月に1回とかの頻度で塗り重ねたりするようで。

で、ある日気づきます。「なんか床がドス黒い…」。光沢はあるのに新築の時より明らかにドス黒い。丁寧に手入れしているのになんで?

床がドス黒くなった理由は…

一般的な床用ワックスの主成分はアクリル系樹脂。
→ なので、塗って乾けば透明な薄~いプラスチック板敷いた感じになります。
→ なので、毎日歩いていると小学生の下敷きよろしくスリ傷(とそこに入り込んだ汚れ)で全体にボヤーッとしてきます。

で、キレイ好きな人は「こりゃまずい」って慌てて雑巾なんかで水拭きしてワックス上塗りしてピカピカ「うん、良い仕上がり。満足満足」。…なあんてことを1年2年と続けていると、フローリング上は汚れをプラスチック膜でサンドイッチしたドス黒いのにギラつくプラスチック板的なものが出現。

で、キレイ好きな人は「新築の我が家が~」っていてもたってもいられず、なんとかしようと調べていると「床用ワックスは剥離作業が必要」らしいなんて気づく。

で、キレイ好きな人は「ああ。剥がせば綺麗になるのか。確かにネットショップの床ワックスコーナーにそんなの売ってたわ」なんてキレイ好きで几帳面だから速攻手を出すわけです。

が、「ちょっと待て」と。経験のない人のフローリングのワックス剥離はとっても危険。どれぐらい危険かって…

フローリングの接着剤が剥がれる

ごく一般的なフローリングって、
●接着剤で貼り合わせたベニヤ板
●接着剤で板状に固めた木材チップや段ボール
の表面に薄いシート状の木材とか木目シールを貼ったもの。無垢材なんて稀で、ほとんどは接着剤まみれの板。そんなのに、プラスチック溶ける剥離剤が染み込むとどうなるか。

ワックスと一緒に接着剤も溶けて、フローリング表面の板が剥がれるわ反りかえるわ…。大惨事になる場合があります。

木や紙は水分で膨張する

ワックス剥離って要はプラスチック溶かす作業なワケで、薬剤ビシャビシャ塗ってから融けるまでに結構な時間がかかる。その間、床は水浸し状態。なので、特にMDFなんて紙板フローリングだと、水吸って膨らむわ波打つわ、乾いたら反り曲がるわボコボコだわ…と。大惨事になる場合があります。

結論:フローリングのワックス剥離は危ない

なので、経験のない方がフローリングのワックス剥離に挑むのは「危ないよ」というのが結論です。

そもそも。
フローリングメーカーのカタログ見ると「弊社のフローリングはコーティング済み。ワックス塗布不要」なんて書いてあるので、実はワックスを塗らないのが良いのかも。塗らなければ剥離しなくていいし。最近の工業製品って、「キレイ好きで生真面目な人」(少数派)よりも「何もしない人」(多数派)の方が長持ちするような気がします。多数派からクレームが来ないように設計してるんですね、たぶん。

今日のおすすめ

それでも剥離したい…という人は、決してお勧めはしませんが、プロがフローリングのワックス剥離する時に使う増粘タイプの剥離剤を使うとか。


増粘タイプなので木材内部に浸透しにくく、剥離の効果も弱めです。これを使って狭い面積を手早く作業…を繰り返していけば上手くいくかも。でもミスれば全損なので、慣れてないと精神的にも身体的にもエラく疲れます。