ゲリラ豪雨→道路冠水→軽自動車について行ったらハイエース200系のエンジン(ディーゼル)が死んじゃった話

2015年7月24日(金)の夕方、水戸地方はなかなかのゲリラ豪雨に見舞われ地元民に有名な冠水スポットはもちろん、「こんな平らな道も?」なんてトコまで下水オーバーフローして縁石の上くらい(20cmオーバー)まで水浸し状態。そんな日に、ウチの会社のハイエース200系(ディーゼル)で営業に出ていた社員から一本の電話が。

「冠水道路でハイエースが動かなくなりました…。」
「あら。了解」
………?
………………あ!
了解じゃねーわそりゃ!!
噂に聞くディーゼルエンジンが水吸っちゃって死ぬ最悪のケースだろソレ!!!…というコトで別の社員がダッシュで救出に向かい、事情を聴いたところ、

「渋滞してて『何かな』と思ったら道路が縁石かぶるくらい冠水してて、でも前の軽自動車が普通に通過して行ったから『行ける』と思ってついて行ったら止まっちゃいました」。

「は?ハイエース200系が軽自動車に負けたんかい!」

どうにも腑に落ちないので、モヤモヤしながらトヨタのディーラーの営業マンに聞いてみると

「最近よくあるんですよ、冠水道路に突っ込んでエンジン死んじゃうケース。この水没(この程度でも【水没】と言うらしい)の感じだと、エンジンと燃料噴射ポンプで修理代100万くらいかかっちゃうかな~。たぶん2週間ぐらいお預かりすることになります」

…。
良くある事なんだって、ハイエースの水死。

……。
よくある事にしてはこっちがドライバーが受ける被害とダメージでかくね?まあランドローバーではありませんから、当然取扱説明書にも「冠水した道路を走ってはいけません」みたいなこと書いてある。水たまりに突っ込んでエンジン死んでも文句は言えないのはよーくわかる。

が。軽自動車のような小さい車が行けるのに、ハイエースはなんで行けないのさ?

エンジンが死んだ原因…というか可能性を素人が探ってみる

という訳で、車を下から覗き込む(ちなみに覗き込んだのは生きてるもう一台の方)。通常、乗用車のエアクリーナーはかなり高い場所(ボンネットのすぐ下とか)に配置されてますが、ハイエース200系は意外にもココ。

エアクリ底面はフロントバンパー低面とほぼツライチ…と低いところに配置。「でもまあ、インテーク(空気吸いこむ側)はずーっと上にあるからちょっとの水たまりではどうって事ないはずだぞ」…と思ったら、どうやら問題はエアクリの下面。

●エアクリのフィルター交換は下側から行うように設計されている。なので下部がフタ式でバネで留まっている構造(防水ではない)。
●そのフタにはゴム付き水抜き穴あり(上の写真の丸い所。地面から25cmぐらいの高さ)。で、そのゴムはエンジンふかしてる時は空気バンバン吸い込んでるから割とピタッと張り付くが、アイドリング時は割とパカパカ。

ってなわけで、数十メートル続く深い水たまりを車連なって波立てながら進んで行くと、フタのすき間から水が回り込んだり、水抜き穴のフタがペロッとめくれて空気と一緒に水を吸い上げたり?実際にディーラーで分解してもらったらエアフィルター水吸ってずっしり重くなっていたそうで、たぶんこの辺から侵入したんでしょ。タフなイメージ(実際タフだが)のハイエースですが「意外に冠水には弱い設計なのね」(最近のゲリラ豪雨を受けて、年式新しい車両は何気に設計変更されてたりすんのかな)。

「この辺の構造を前もって知ってれば水たまりから逃げたよ。知識って重要だね…って、フツーそんな低い位置にエアクリついてると思わないもん。ディーラーも教えてくれないもん」
「いや、マフラーだって大体その位置だろーが。言い訳すんな」
「だって前を走ってた軽自動車は行けたから…」

ハイエース乗りの鉄則

●スマホのゲリラ豪雨情報アプリは必須。アラート来たら雨雲レーダーの状況掛け合わせて確認。危ないと思ったら出かけない。
●車で外出中に豪雨に巻き込まれた時は、慌てずちょっと高い所で休憩(ちなみに一時間後、水は跡形もなくなくなりました…)。

電車が標準の都会では待機が当り前でも、車社会の水戸では不用意に出かけちゃうんです。でも大事な営業車を失って学びました。
ゲリラ豪雨を舐めてはいけない。