ディズニーランド・ディズニーシーのトイレがしょぼいのはなぜか?

おもてなし。

例えば東京ディズニーリゾート。
例えばTOTOのウォシュレットに代表される「温水洗浄便座」。

どちらも日本のおもてなし筆頭株ですが、どういう訳かこの二つがセットにならない。ネット上にも「ディズニーランドのウォシュレット付きトイレの場所を教えてください」という悲痛な叫びがあるけど、答えは判を押したように「そんなものはない」。夢のひととき…ディズニーリゾートのトイレが自宅よりしょぼいとは何事か!と思うわけですが。

そしたらお掃除屋さん向け月刊誌「ビルクリーニング」の2013年12月号のP,32で高坂麻紀さん(こちらの会社の方)が種明かししておられました。

記事によると、2001年ディズニーシー開業時に温水洗浄便座の導入が検討されたが、カストーディアル(つまり清掃)部門が採用を却下したとかなんとか。わたしの読解力が確かなら、その理由は
  ①深夜清掃でトイレ内すべてを水で流すため
  ②日中の清掃に手間がかかるため
  ③壊れやすいため
との事でした。言われてみれば、確かに。

つまり(以下は想像の世界)…

①:夢とファンタジーの世界で菌だウィルスだ食中毒だ…は命取り。だから汚染されやすいトイレは壁面も含め毎日たっぷりの水で流してスッキリさせたい。清潔最優先。だから水が苦手な電気製品ウォシュレットは却下。

②:いつも混雑している女子トイレ。だから営業中清掃は速攻で1室1~2分で済ませてあげたい。だけど温水洗浄便座付きだとノズル引出したり洗浄箇所が増える。余計に時間食って混雑に輪をかけるから却下。

③:女子トイレ使用頻度。机上の計算だけど2012年の年間入場者数は約2750万人(データ元:http://www.olc.co.jp/tdr/guest/)だから一日平均7万5300人。うち7割が女性で4万5000人。1日2回と少なく見積もってもトイレ使用回数9万回。女子トイレ個室数ランド・シー計約500(データ元http://www15.plala.or.jp/gcap/disney/wc.htm)とすると1室の使用回数200回弱/1日。そんなにノズル出し入れしてたら必ず数か所はジャムったり壊れる。その度閉鎖したら混雑にさらに輪をかけるから却下。

そんなわけらしいので「みんなの声がオリエンタルランドに届けばきっと変わるはず」なんてことは恐らく無く。水ぶっかけても壊れず漏電せず、清掃簡単で完璧な自己クリーニング機能付きで、耐久性半端ない…そんなミルスペック通るような温水洗浄便座がTOTOとかLIXILから格安で発売されたら、そしたら変わるかも(→つまり変わらない)。

でも、ホントにそうなのか。計算をさらに進めてみる。
営業時間13時間だとすると1室の使用者数1時間につき15人。つまり1人の持ち時間出入り含めて4分。ウォシュレットつけてトイレまで夢の国にしちゃうと、つい長居しちゃって4分におさまらない。もっと混雑しちゃう。だからトイレはそっけなく作ってある…ということはないのか?などと勘ぐってしまうのでした。

…まあ、利用者が思いつかないような色々な要素のバランスで決まってるんです、きっと。

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便器内部を短時間で仕上げたいときは、先日もご紹介したスパルタンケミカルのバイオボウル。動画見ると作業が相当早くできることが分かります。